一般社団法人 保育教諭養成課程研究会

各部会の紹介

本研究会では、それぞれの専門領域や関心を活かしつつ研究部会での活動をおこなっています。
今年度の活動内容を各部会長にうかがいました。
なお、研究部会はお一人いくつでも参加可能ですし、傍観者体験もアリ!です。
※随時部会からのレポートを掲載中です。

現職研修部会


現職研修部会では、保育教諭の高度専門職養成と関わり、現職研修への提案につながるような 実態調査行うことを目的としています。 平成 27 年度は、5月8日に当部会と「保育 Lab」と「中部の保育を高め合う会」共催による『保育の質を高める園内研修のあり方シンポジウム』を開催しました。また、6月6日には東京で部会員交流会、9月26日には神戸大学3月6日には東北福祉大学仙台駅東キャンパスにてミーティングを行いました。
本年度は、学会発表は自主シンポジウム企画などを予定しております。
保育実践の質の鍵は保育者が握っています。保育者の現職研修の在り方についてその実態を検証し、今後について共に考え、案を練っていってくださる方を大募集しております。

【部会長】北野幸子(神戸大学)

実習部会


実習部会報告
実習園の実習に関する取り組みの実態や、大切にしていること、実習生に望むことなどの実態調査に取り組もうとしています。現在は、ほぼ調査項目が決まってきて、4月以降に関東圏の幼稚園に調査をお願いする予定になっています。
養成校側への調査も視野に入れていましたが、現状では幼稚園側への調査に絞り込んでいます。

【部会長】 岸井慶子(青山学院女子短期大学)

養成校の学びと幼稚園での実践(表現等)部会


本部会は領域「表現」に焦点を当てて研究を進めています。昨年度から着手しているのは、領域「表現」をめぐる養成校の現状分析です。養成校における領域「表現」に関わる指導内容については、音楽・造形・身体表現・演劇等の文化的実践の専門性が生かされている良さがある一方で、領域固有の型や知識技能の獲得が自己目的化される可能性などの問題点も指摘されてきました。まずは首都圏の養成校を中心にシラバス・カリキュラムの分析を通して現状の特徴を確認し、そこから見える問題点を明らかにしていきたいと考えます。保育において育成すべき資質・能力を、領域「表現」の観点からはどのように説明していくべきなのでしょうか。またその説明は現在の養成校のカリキュラムから読み取ることができるのでしょうか。メンバーは現在15名ですが、その専門性は多岐にわたっており、多角的に問題に取り組んでいます。今後のより良い展開のために、多くの方のご参加をお待ちしております。

【部会長】今川恭子(聖心女子大学)

質的研究部会


「質的研究部会」は、質的研究に興味のある方、保育教諭と養成校教員による保育の質の向上を目指して実践研究を行いたい方のための部会です。質的研究の方法について基礎的理解を深め、さらに保育所・幼稚園・認定こども園の保育の質の向上を目指して実践研究を行うことを目的としています。平成27年度については、ワークショップや専門家による講演などを積極的に取り入れ、質的研究の実践的理解を深めていきます。そして、参加者メンバーによる実践研究を本格的に取り組む予定です。テーマは、保育所・幼稚園・認定こども園の保育の質の向上に関する内容です。初心者の集まりですので、特に質的研究についての知識を予めに持っていなくても関心のある方は奮ってご参加ください。

【活動報告】
平成27年度は、Uwe Flick(編)の「Qualitative Data Analysis」の文献購読及びソフトウェアを使用したデータ整理のデモンストレーションを実施し、PAC分析やテキストマイニングの方法に触れました。 また、平成28年度からスタートする実践研究の具体的研究法に関して話し合いを行いました。
①平成27年 6月 6日(土) /人形町区民館
②平成27年12月12日(土) /人形町区民館

【平成28年度に向けて】
「質的研究部会」は、質的研究に興味のある方、保育教諭と養成校教員による保育の質の向上を目指して実践研究を行いたい方のための部会です。質的研究の方法について基礎的理解を深め、さらに保育所・幼稚園・認定こども園の保育の質の向上を目指して実践研究を行うことを目的としています。平成28年度は、実践研究に本格的に取り組みます。テーマは、保育所・幼稚園・認定こども園の保育の質の向上に関する内容です。
初心者の集まりですので、特に質的研究についての知識を予めに持っていなくても関心のある方は奮ってご参加ください。
メール: kokamoto@hotmail.co.jp 担 当: 岡本かおり(洗足こども短期大学)

【連絡先】 岡本かおり(洗足こども短期大学)kokamoto@hotmail.co.jp

特別支援教育部会


「特別支援教育研究部会」は、特別に配慮を要する子供への手立てを検討し、保育教諭の養成に資することを目的としています。そのため全国規模による調査等を通して、特別支援教育の内実を把握し、研究を推進します。当面の調査対象を公・私立幼稚園及び幼保連携型認定こども園とし、対応に困った子供に関する事項や相談先等について、担任・介助教諭及び園長等管理職を対象者として質問紙調査を実施しています。
平成26年度は関東近県某市の幼稚園を対象に「気になる幼児の教育の実態に関する調査」を実施しました。この調査結果を基盤に、調査内容や方法等を精査し、平成27年度は関西近県の調査のための準備を進めています。今後は調査対象を広げ全国規模の実態把握を基盤に研究を進め、特別支援教育にかかわる保育教諭養成の在り方をはじめ養成校教員の研修や研究に資することを目指します。本部会は現在8名で構成されています。定例会では毎回ほぼ全員が出席し活発な議論を交わしています。関心のある方の入会をお待ちしています。 

【部会長】酒井幸子(武蔵野短期大学)

授業方法・授業展開部会

近年、大学教育のあり方や、教職課程の質が問われています。保育教諭養成課程の教員の皆様は、どのように授業を行うのがよいのか、どうすれば学生の学びが深まるのか、日々試行錯誤されていることと思います。授業方法・授業展開部会では、養成課程における授業の方法や授業の展開のあり方について勉強、研究していきたいと考えております。
昨年度は、養成課程の講義科目の授業方法に注目し、授業担当教員へのインタビューを行い、講義授業における工夫や課題について実態を調査しました。この結果は、『保育教諭養成課程研究』に論文をまとめました。また、「アクティブラーニング」についての文献講読を行いました。今後の研究計画や方向性は、これから議論していきたいと考えています。是非多くの方にご参加いただければと思います。よろしくお願いいたします。

【部会長】若尾良徳(こども教育宝仙大学)

「保育教諭の専門性を探る」研究部会


 日本各地に認定こども園が誕生し、よりよい保育の在り方の模索と創造が始まっています。こども園とはどういうものなのでしょうか?こども園において求められる保育教諭の専門性とはどのようなものなのでしょうか?本部会では、実際の保育の場に足を運び、生き生きと遊ぶ子どもたちの姿に触れたり、保育者の方々の声を聞いたりすることを通して、これらの問いに向かい合っていきたいと考えています。 研究方法は、①意欲的な実践を行っている子ども園の見学と保育者へのンタビュー ②見学やインタビューした内容のまとめ ③部会(年3~4回開催予定)において見学内容の報告と協議、 です。見学を通して、「子どもたちの一日の生活と遊びの特徴」「園舎や園庭の特徴」「0歳児から就学前までのカリキュラムの工夫」「こども園の運営上の課題と工夫」などのデータを収集していきたいと考えています。ご興味のある先生方、どうぞ仲間に入ってください。一緒に研究してまいりましょう!

【部会長】宮里暁美(文京区立お茶の水こども園)

「遊び」指導・援助研究部会


「遊び」指導・援助研究部会は、複数の領域間で協働した遊びの捉えが必要ではないかという視点から研究を進めています。現在、遊びをとらえる視点を養成校での「遊び」に関する学び(授業内容)から整理し、「遊び」を新たな視点から再構築を試みようと考えています。
現在行われている研究会や研修会では、音楽、造形、運動などそれぞれ個別の活動内容をテーマとすることがほとんどかと思います。しかし、実際の子どもの遊びは音楽に合わせて身体を動かしたり、作ったもので遊ぶ中で動きが引き出されたりするなど、様々な領域が複合的に関連し合っており、保育者の援助も総合的指導となります。「遊び」をとらえなおすことで既存の領域固有の専門性に依拠するだけでなく、遊びの充実に向けた実践や研修等の提案(養成カリキュラム、現職教育への提案など)を目指しています。試行錯誤しながら進めております。
ご興味のある方はご参加いただければと思います。よろしくお願いいたします。

【部会長】吉田伊津美(東京学芸大学)

幼小接続研究部会


「幼小接続研究部会」では、幼小接続に関する実態調査や接続期の発達研究を行い、
保育教諭の養成に資することを目的とします。具体的には、以下の研究を進めていますので、関心のある方は是非ご参加ください。現在の部会メンバーは11名です。

1)幼小接続に関する保育者養成校と学生への質問紙調査
全国の保育者養成校へ質問紙を配布した「幼小接続に関する授業調査」と、15校の養成校学生を対象にした「幼小接続に関する理解調査」を実施しました。
養成校学生の理解に関する論文は紀要に掲載され、現在はその他の分析を進めているところです。
今後の保育教諭養成カリキュラムの策定に資することを目指しています。

2)保幼小連携と就学前後の子どもの育ちや学びとの関連に関する調査

3 年ほどを目安として、保幼小連携の先進地域とその他の地域において、保幼小連携の実態や、就学前後の子どもの育ちや学びのつながり等について、保育者・教師へのインタビュー、行政へのインタビュー、子どもの観察等から探りたいと考えています。

【部会長】白川佳子(共立女子大学)掘越紀香(国立教育政策研究所)

カリキュラム部会について

カリキュラム部会では、保育・幼児教育の動向をふまえ、「保育教諭」養成を視野に入れて、保育者養成課程のカリキュラムの内容等について検討しようと考えています。
カリキュラム部会では、これまでに会員の所属する養成校の履修要項等の資料収集やアンケートに基づいて、授業科目、実習等の実態等のカリキュラム分析を行ってきました。今後は、時代の変化や社会的要請も視野に入れながら、求められる保育者の専門性を保障するためのカリキュラムのあり方について、海外との比較や、各校の実態調査等の多様な視点から検討を進めていきたいと考えています。ご関心のある方のご参加をお待ちしております。

【部会長】砂上史子(千葉大学)