一般社団法人 保育教諭養成課程研究会

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幼児教育養成課程研究会 第2回 2013.9.17(火)於:国立オリンピック記念センター

【無藤先生への質問と回答】

○同僚性の構築など園長は現職の保育者としてどこまで顕在的な学びを深めるべきか。
一般教員と同等に教育課程の編成責任者として養成側の実務レベルでの関与がないと園の教育的営みの質は、ますます二極化してしまうような気がします。ましてや、小学校長退職後の新任園長の研修に参加してみると、学びの出発点が明確でないようです。無藤先生のお考えは?

●各園としては、然るべき研究者を見出して、顧問として実践やカリキュラムや園環境の改善に一緒に取り組むことが有効でしょう。
実習指導は園側と養成校との協働的指導だということを明確にして取り組むべきです。



○現職評価の文化は、園の教育で身につけるべき内容がある程度明確であることと関連があるのでしょうか。

●現象評価って、実務者教員を増やす方向のことですか。それは、就職後すぐに役立つ保育者・教員を目指しているからです。私はとりあえずは賛成です。その上で、実践をめぐり、よく考える見直すということを可能にしていくべきです。



○養成課程の四学期制、以前より関心をもっております。私どもも様々な角度から考えておりますが、四学期制のメリットが今一つ見いだせないでおります。詳細をお尋ねしたく存じます。

●週に2度同じ講義をする方がおそらく効率的です。実習を丸ごと2ヶ月行うということが可能に出来ます。



○私立幼稚園の園長教育は可能でしょうか。私立の園長が変わらなければ…

●義務づけをどう入れるかですが。抵抗は激しいでしょう。建学の理念を不勉強を隠す言い訳にしている間は難しいですが。



○実践家としての養成を急ぎすぎていないか、実践家は実践現場が育てるとして、現場のサポートを養成校教員が本当にできるか。保育者の養成力を持つことが現場の質の向上につながるか?

●4年間ならその期間に本気で養成をして、さらに就職してからの3年ないし5年間で一通りの完成を目指すという二段階モデルが必要です。現場のサポートを出来る養成校教員を育成する必要があります。そのための大学院とか、大学教員の現職教育を進めるべきです。



○四学期制を実施する場合の時間割や休み期間の取り方などを知りたいです。

●4学期制は2ヶ月を単位とします。15回授業は週に2コマ行います(別な曜日か2コマ続き)。4・5月、6・7月、10・11月、12・1月前後で組みます。




【感想】
○学生の養成と現職研修をうまく関連、連動できないかと考えていますが…

○養成校の役割について整理できました。また課題も明らかになり、何から取り組んでいくべきか考えさせられました。まず、現職への教育を夜間の大学院の充実も含めて取り組みたいです。

○短大卒業から通信四大学士取得、そして大学院と進んできた身としてはもっと現職の先生に学べる環境を増やしてほしいと思いました。

○無藤先生、今日養成の現状と今後の課題をわかりやすくありがとうございました。私も⑪の現職の専門性開発がキーだと思いました。それが④や⑧の実習拡大につながると感じました。

○⑪の教員の専門性開発のためのアセスメントシステムは、今後の日本の課題であるとのお答えを頂き、研究テーマとして強く意識していこうと思った次第です。

○本日は貴重なお話しをありがとうございました。養成校の責任の重さをひしひしと感じております。

○教員3年目になります。いわれるままに仕事をしてきましたが、先生のお話しで広い視野を持たなければいけないと思いました。バランスが必要だと思いました。

○大学としての養成課程、省庁の認可を受けた養成課程、現場のための養成課程、3つの顔を矛盾させず統合させるのは大変な課題と思う。養成の在り方を法的に規定するその中身やあり方を本当の意味でのステークホルダーが膝詰めで決める場がないのが大きな問題。国際的にみて、専門分野別の教育プログラムの質保証はしっかりステークホルダーが仕組みづくりに関与しているケースもみられる。

○質問者に対する現場との関係につきましては、先生のご意見に賛同いたしました。保育者の質の向上は難しい課題です。入学時に選別は不可能ですし、現場では即戦力も求められております。実習時の指導者資格も不明確です。問題ばかりです。ただこれは、幼保(教)保育者養成に特殊なことではないのも確かに思います。

○どうもありがとうございました。養成校のなかの矛盾、課題についてずいぶん考えました。教員間の協働性がないとうまくいかないけれど、大学内でそれとどう育むか難しいので、せめて養成校間の協働から始めることができたら、と切に思いました。

○問題の見取り図をわかりやすく示してくださり、ありがとうございました。

○現場と養成校での指導の両面に関与できることを生かせられるよう、この会で学びたいと思いました。

○本日は大変ありがとうございました。本学ではGPの取り組みで現場でのボランティア、インターシップを通して、学生の就業力アップや卒業生支援に力を入れています。特に保育現場に出向いての合同保育カンファレンスは効果的です。しかし、教諭、保育士を目指す学生から夢に見ていた先生方が疲れ果てていらっしゃるとの声がきかれるなど、現場の厳しさを今まで以上に感じています。これからは大学の教員も現場の研修会研究会に積極的に参加し、ともに学ぶことを通して、そのエキスや課題を学生指導や卒業生支援にいかしていくことが求められていると思います。

○今日は貴重なお話しをありがとうございました。今後資格の統合などを考えると、養成校としてどのように先を見通していけばよいのかという点が不安です。興味深くお話しをうかがいました。

○頭をクリアにしてしっかり考えなければと思いました。

○学生の自立した学びにはどのようなカリキュラムプログラムがよいか、現在悩んでいる。幼稚園教育要領が現場に十分評価されていないのかと思うことが実習巡回で感じる。例えばねらいと内容の関係等に悩みます。

○私は現場と行政、養成校と移動して勤務経験があり、それぞれの立場で漠然と感じていた課題を、広い視野でお話しいただき、少しずつ整理することができました。お話しをうかがいながら、ひとつひとつがつながっていくように感じております。ありがとうございました。

○学校が望んでいること(新米でよくわかっていませんでした、恥ずかしながら…)は、こういうことなのかと改めて納得してしまいました。⑨のこと。

○幼保において上級資格をとれる体制を整えていくことに大変賛成であるが、多くの保育者がインセンティブがあっても、それを望まない現状がある。これも教員養成(保育士)の段階で学生に研修を含めた専門性開発の重要性を学生のうちに(現職だと現実に追われてあきらめていくことも多いので)実感させることが大切だと感じた。




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